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2022.1.15

ICTインフラとは|企業のDX化を進め2025年の崖への対策を

使いやすいクラウドサービスの普及や多様なデジタルツールの登場で、企業のICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)インフラを整備する動きが加速しています。特に、生産管理、販売管理といった業務のシステム化、さらには複数の基幹システムを統合するERPEnterprise Resources Planning、企業資源計画)パッケージの導入により、大幅な生産性向上を図ることが可能になります。ここでは、ICTインフラの重要性と効果をご紹介します。

 

【目次】

          1. 1 ICT(アイシーティー)インフラとは?

                ICTインフラの導入形態

                約70%の企業がクラウドサービスを利用

            2 ICTインフラを導入するメリット

          2.  
          3.  
          4.     メリット1 業務の標準化・経営の見える化

                メリット2 クラウド型は導入コストも抑えられる


          5.     メリット3 複数の基幹システムをインクルード可能

        1.  
        2.  
          1.  
          2.     ICTインフラを導入する上での留意点

            1. 3 なぜ今、ICTインフラ導入が必要か

            2.  
            3.  
            4.     ニューノーマルな働き方の加速

          3.  
          4.  
            1.     DXの本格的な導入が迫られている

            2.  
          1.  
            1.    (コラム) 「強い経営」を支える社内インフラとは?

            2.  
            3.  
            4. 4 テクノプロ・IT社のERPのご紹介

            5.  
            6.  
            7.     ICTインフラ導入のために欠かせない基本知識をおさらいしましょう

          2.  
          3.  
          4.  
          5. 5 まとめ:抜本的なICT改革が会社生き残りの鍵になる

          6.  
          7.  
          8.  
        1.  

1 ICT(アイシーティー)インフラとは?

ICTインフラとは、システムやアプリケーションを利用する上での基盤となるハードウェア(PC、サーバー、ストレージ)、ソフトウェア(OS、アプリケーションサーバー、Webサーバーなどのミドルウェア)のことをいいます。ICT(Information and Communication Technology)は、従来コンピューターの技術を指すIT(Information Technology、情報技術)とほぼ同じ意味ですが、技術の活用なども含む総称として、ICTという呼び方が国際的に定着しています。

総務省におけるICT投資の定義例

総務省『平成28年版情報通信白書』、総務省におけるICT投資の定義例の図

日本では、総務省は「ICT成長戦略」「ICTによる生産性向上」とICTを、経済産業省は「IT人材の育成」「攻めの IT 投資」とITを使うなど、まだ明確な使い分けを行ってはいないようです(表は総務省『平成28年版情報通信白書』より)。

近年は、ICTインフラをベースに、基幹業務にかかるシステムや情報系システム、基幹システムを統合管理するERPパッケージなどが運用されています。ICTインフラはまさに企業のデジタル化を支える土台といえるでしょう。


ICTインフラの導入形態

ICTインフラを導入する方法としては、以下のように、大きく2つの形態に分けられます。

●オンプレミス型
自社でサーバーなどを設置・運用。定期的なメンテナンス、アップデートといったシステムの保守・点検業務があります。そのため、社内にICTシステムの運用に詳しい社員・スタッフを配置しておく場合があります。

●クラウド型
ベンダーや専門分野に特化した企業などが提供する、インターネット上のサーバーを利用。導入コストも比較的少なく済むのが特徴で、システムは常に最新の状態にアップデートされます。リモートワークでも利用しやすい環境です。

 

約70%の企業がクラウドサービスを利用

総務省『令和2年 通信利用動向調査報告書(企業編)』、クラウドサービスの利用状況の推移のグラフ総務省『令和2年 通信利用動向調査報告書(企業編)』の利用率の合計は、平成30年は58.3%、令和元年は64.5%、令和2年は68.5%となっており、2年で10%も伸びています

昨今のテレワークの促進により、ICTの利用はクラウド化がトレンドです。総務省『令和2年 通信利用動向調査報告書(企業編)』を見ると、令和2年の企業のクラウドサービス利用状況は「全社的に利用している」(39.3%)、「一部の事業所または部門で利用している」(29.2%)で、全体の約70%に上ります。

クラウドサービスを利用している理由

「場所、機器を選ばずに利用できるから」 45.5

「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」 42.3

「災害時のバックアップとして利用できるから」 38.1

「安定運用、可用性が高くなるから」 37.3

「サービスの信頼性が高いから(情報漏えいなど対策)」 29.3

また、同資料による「クラウドサービスを利用している理由」とは、上記の5つが上位となっています。クラウドサービスの手軽さ、使い勝手の良さが大きな魅力となっているようです。

 


2 ICTインフラを導入するメリット

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ICTインフラの導入は、業務効率化を実現して生産性を向上するベースとなります。仕事の無駄、むらをなくし作業スピードがアップします。

メリット1 業務の標準化・経営の見える化

メリット2 クラウド型は導入コストも抑えられる

メリット3 複数の基幹システムをインクルード可能

ICTインフラを導入する上での留意点

メリット1 業務の標準化・経営の見える化が図れる

ICTインフラのシステムを導入することで、標準化された業務プロセスは定量的なデータに基づいて業務の状況を把握しやすくなります。業務がどのような状況にあるのかを「見える化」し、常に最新の情報を経営判断の材料にできます。また、属人性を減らした作業はミスも少なくコストの削減も図れます。

業務標準化とは|効率的な業務の“できる化”を促進する業務見直しの鍵

メリット2 クラウド型は導入コストも抑えられる

先述のように、従来のオンプレミス型から、トレンドのクラウド型を導入する企業が増えています。月額課金サービスであるサブスクの定額決済で提供している企業が多く、導入コストが抑えられるためです。また、自社が必要とするサービスだけを利用するといった使い方もできるので、大企業と比べてICT化への投資額を抑えたい中小企業にも導入しやすい点が魅力となっています。

メリット3 複数の基幹システムをインクルード可能

生産管理や販売管理、在庫管理といった複数の基幹システムをインクルードするERPパッケージのクラウドサービスも人気が高まっています。ERPパッケージは、各業務のデータ・情報を一元的に管理できるので業務の自動化・省力化につながります。

ICTインフラを導入する上での留意点

企業のデジタル化は、生産性を向上する上で欠かせない取り組みですが、同時にICTインフラを導入する上で注意しなければならない点があります。

●セキュリティー対策
重要な技術情報やデータの流出、保有している顧客情報・個人情報などの漏えい、外部からの不正アクセスを防ぐためのセキュリティー面の対策が不可欠です。

●リモート対応
テレワークの導入が進む中、社外でのリモート業務も増えています。社内の端末だけではなく、社外からも利用できるシステムを導入し構築する必要があります。

このほかにも、ICTシステムの運用ではサーバー障害やシステムダウンといったトラブルが起きるケースもあります。システムの不具合による業務の遅延や停滞は会社の信用度、イメージに悪影響を及ぼします。また、災害の発生や感染症の流行など、不足の事態も想定しなくてはなりません。

トラブルに備えて対応マニュアルを作成したり、複数のサーバーを用意したりするなど、業務継続計画=BCP(Business Continuity Plan)を含めた安全対策も重要となっているのです。

 

3 なぜ今、ICTインフラが必要か

働き方改革、国際的な企業間競争の激化といった流れを受けて、多くの企業にとってICTインフラを整備して、生産性向上や業務効率化を実現することが喫緊の課題となっています。

ニューノーマルな働き方の加速

人手不足が深刻となる中、育児・介護といったいろいろな事情を抱えている働き手の定着を図るためには、より働きやすい職場づくりが欠かせません。急速に進んだテレワークをはじめ、これからは場所・時間にとらわれない働き方を提供できる企業が、労働力を安定的に確保していける時代になってきます。機能的なICTシステムを導入して、多様な働き方に対応していく必要があります。

DXの本格的な導入が迫られている

経済産業省『DXレポート2中間取りまとめ』2021年によるDXの構造、DXワークフレームの解説図経済産業省『DXレポート2中間取りまとめ』2021年による、「DXの構造」と「DXワークフレーム」より、企業のデジタル化とは、という定義と、どういった部分をデジタル化するかについて表しました

 

経済産業省『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』が2018年に発表され、各方面で話題になり、対策の強化が図られています。

これは、企業間のデジタル競争が本格化し、旧態依然とした既存の業務システムを採用している企業は、「2025年の崖」と呼ばれる大きな経営リスクに直面するという警鐘となったためです。この問題を解決するために、先進的なICT化を進める「デジタルトランスフォーメーション」(DX)を実現しなければならないのです。

勝ってる企業の秘密はICTへの投資にあり資料DL

(コラム) 「強い経営」を支える社内インフラとは?

インフラとは「インフラストラクチャー(infrastructure)」の略で、電気や水道、ガス、道路、鉄道、医療、通信などのように、生活に必要なエネルギーや構造物やサービス、設備などをいいます。

これに対して社内インフラとは、業務の遂行に必要な設備、スペース、システムなどをいいます。中でもパソコン、サーバー、ネットワーク機器、各システム、オフィスソストなどは、今や多くの企業にとって欠かすことのできない重要な社内インフラです。

社内のICTインフラには次のようなものがあります。

▶ICTインフラの種類

基幹システム
会社の基幹となる業務を管理するシステムです。生産管理システム、販売管理システム、物流管理システム、会計システムなど業種によって使われているシステムが異なります。いずれの基幹システムも人が行っていた作業を自動化・省力化するもので、業務効率化や人為的なミスを減らすことができます。

情報系システム
メールシステム、スケジュール管理やファイル共有、設備予約などができるグループウェアなどが含まれます。基幹システムと対比する使われ方が多く、基幹システムは業務を遂行する上で必ず必要な存在であるのに対して、情報系システムは毎日の業務を円滑にしてくれる補完的なものです。

ERP
Enterprise Resources Planning」の略称で、日本語では「統合基幹業務システム」と称し、ERPパッケージやERPシステムなどとも呼ばれます。基幹システムで別々に管理されている情報を一元管理するため、一つの情報を更新すれば、ほかの基幹システムにも共通して反映され、効率良く管理が行えます。

 


4 テクノプロ・IT社のERPのご紹介

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SAP ERPソリューション

企業が行うさまざまな部門の業務フローを一元管理できる「SAP ERP」の詳細はこちらの記事でも詳しく紹介しています。

世界基準のビジネスモデル! 「SAP ERP」の導入メリットや魅力とは

ICTインフラ導入のために欠かせない基本知識をおさらいしましょう

ICTインフラを導入するために、基幹システムやERPなどのソフトウェア導入など、企業のシステムの合理化は、今や企業経営には必須の時代です。気になる方はこちらもチェックしてください。

SaaSとは|バックオフィスからマネジメントまでをクラウドで運用するデジタル時代の必須ツール - テクノプロIT

 

まとめ

抜本的なICT改革が会社生き残りの鍵になる

企業を取り巻く状況は近年大きく変貌しています。少子化に伴う労働人口の減少、働き手の意識の変化によって、企業の人手不足は深刻な状況です。ICTインフラの整備によって業務の無駄を解消して生産性を向上できる会社こそが、限られた人材をより有効に活用し、これからの業界をリードしていきます。

ICT化の遅れが大きな経営リスクになると指摘されている「2025年の崖」を乗り越えていくには、業務ごとに細分化された既存システムの抜本的な見直しが不可欠です。ERPパッケージの導入を軸とするICTインフラの整備が強い経営を実現する鍵となります。

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