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2021.6.30

品質管理とは|工程管理の手法から品質改善までの基本的な知識 - テクノプロIT


製品の品質は、その企業の企業イメージや評価につながる最も重要な要素です。「品質管理」は品質だけでなく、より効率的な生産工程の構築をはじめ、製品価値をさらに高めるために改善などを行うための基幹業務です。ここでは品質管理の機能やメリットを紹介します。

【目次】

          1. 1 品質管理とは?

            品質管理の手法

            2 品質管理はなぜ必要?メリットは?

            品質管理と品質保証の違いとは

            3 品質管理の3つの視点

            4 テクノプロ・IT社のERPのご紹介

             製造業などの欠かせない基本知識をおさらいしましょう

            1. 5 まとめ:顧客満足度はもちろん、自社内プロセスの効率化が持続可能な企業へと成長させる

               


1 品質管理とは?

品質管理の流れ品質管理とはその文字通り、自社の生産する製品の仕上がりが一定のクオリティーを確保しているかどうか、品質を検査して保証することです。完成品に傷や汚れはないか、問題なく使用できるかの動作確認、またサービス内容であれば、顧客のニーズに応えているかといったチェックを行います。

 

また、品質管理のもう一つの側面として、製品のクオリティーを維持しながらも、業務の無駄やミスを減らして、いかにコストの抑制や効率化を実現するかといった機能もあります。例えば、生産の各工程で作業手順の適正化を進めてできるだけ不良品(不適合)を出さないようにするための管理、作業スタッフのスキルアップを図る教育・研修なども、品質管理の大切な役割です。

 

このように、製造業はもちろん、小売などさまざまなサービス業、医療などの専門機関といったあらゆる産業・業種で重要な基幹業務となるのが品質管理です。そのため、多くの企業では、さまざまなツールを活用した品質管理、より高精度なチェック体制を構築するために品質管理業務のICT(Information and Communication Technology化、品質管理システムの導入などが行われています。

品質管理の手法

品質管理の手法の一つとしてよく知られているのが「PDCA(Plan-Do-Check-Act〈Action〉cycle)サイクル」です。これは「計画(Plan)」「実施(Do)」「評価(Check)」「改善(ActAction〉)」の頭文字を取ったものです。

計画:品質を確保するために必要な作業計画をまとめる

実施:マニュアルに従って確実に遂行する

評価:現状や結果を分析する

改善:次回に向けた品質と効率性の向上に取り組む

上記の4つのポイントでサイクルを回しながら、品質管理を進めていきます。製品の信頼性や耐久性といった一定の基準をクリアしていくためには、現場の感覚的な物差しではなく、明確なデータに基づいて評価する必要があります。そのため、「QCQuality Control)7つ道具」などのグラフやヒストグラムを用いた統計的な手法によって、分析を行う場合もあります。

とはいえ、顧客の立場からすると発注元の品質管理が妥当な基準であるかを判断することはできません。そこで、世界的に通用する品質マネジメントの基準である「国際標準化機構(International Organization for Standardization、ISO)といった規格や、自社や業界団体が基準を定める「総合的品質マネジメント(Total Quality ManagementTQM)」活動を通して、顧客や社会に自社の品質管理に対する姿勢をアピールする企業が多いのです。

 


2 品質管理はなぜ必要?メリットは?

顧客に対するイメージを決定付けるのは、製品の機能性やデザイン、価格、コストパフォーマンスなどが主な要因になります。それら加えて、営業活動による顧客対応も大きな影響を与えます。特にメイド・イン・ジャパンとして、品質へのこだわりが強い日本では、品質を徹底管理することは必須事項といえるでしょう。

しっかりしたと製品作りとともに顧客ニーズの反映させれば、企業ブランドのイメージに好影響を与えます。例えば、顧客が一般消費者であれば、口コミサイトによる高評価の広がり、企業や製品に対するファン層の獲得やリピーターの増加など、論より証拠といった具合に企業の業績アップにつながる大きなメリットをもたらします。このように、企業にとって品質管理は決しておざなりにできない重要な基幹業務となっています。

品質管理と品質保証の違いとは

品質管理にはこれから作る製品体系のクオリティーを維持する業務だけでなく、顧客に対して製品の納品・提供後の品質も保証することが含まれます。そのため、組織として品質を管理・調整するための「品質マネジメント」という活動を行う必要があるのです。それでは、品質の「管理」と「保証」には、どのような違いがあるのでしょうか。経済産業省『製品安全に関する事業者ハンドブック』によれば、以下のように表されています。

品質管理:品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部

品質保証:品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部

つまり、製品が顧客の手に渡るまでの生産工程で「管理」し、資材の調達を含め管理工程を自社で確認し、後のトラブル対応や改善などを行った上で「保証」する。顧客に対し、企業としてきちんと製品を提供するための活動という点では変わりません。各部門の作業者が品質マネジメントの流れを理解することが、企業価値向上のためには欠かせないのです。


3 品質管理の3つの視点

品質管理の3つの視点

品質管理は、具体的にどのような視点や業務プロセスで実施すればよいのでしょうか。特に製造業では、品質管理のチェックが入る業務プロセスとして、大きくは「工程管理」「品質検証」「品質改善」の3つが挙げられます。

工程管理

製品を生産する工程で正しく作業が行われるように、作業の標準化を行います。作業マニュアルの作成はもちろんのこと、作業者による品質や作業時間のばらつきをなくすために技能や知識の研修、OJTon-the-job training)、作業ノウハウの共有も必要です。生産設備の点検や修理なども、工程管理に含まれます。

 品質検証

完成品の仕上がり具合を検査します。また、受入検査にあたる資材の品質検査、生産途中の品質をチェックする工程内検査、生産した製品を全て検査する全数検査、生産ロットの一部を抽出して検査を行う抜き取り検査があります。

 品質改善

生産の工程で発生した不適合の再発あるいは発生を、未然に防ぐためのチェックです。不適合の再発防止にあたっては「問題解決ストーリー」(QCストーリー)に沿って、現状の把握、目標の設定、原因分析、対策立案/実施、効果の確認、歯止め/標準化といった作業を進めていきます。この際、前述した「QC7つ道具」などの統計的なツールを活用します。なお、品質改善は自社の問題にとどまらず、もし資材に不適合があった場合、仕入先や購買先とともに改善のための調整を行わなければなりません。

 


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まとめ

顧客満足度はもちろん、自社内プロセスの効率化が持続可能な企業へと成長させる

製品の品質を向上させることが、どのような営業やコマーシャルよりも、顧客満足度の向上にとって最も効果的です。さらに品質管理を行う上で、自社内の業務プロセスを見直し、無駄を抑制することもできるのです。

近年はグローバル化が加速し、事業のサステナビリティにさらなる向上が求められる中、旧来の品質管理を効率化させることが重要となります。高精度なチェック体制を長期目標で取り入れるには、ツールのICT化や品質管理システムの導入が効果的といわれています。

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